【荻窪駅前】企画広報課主催、ウェルビーカリキュラム説明会

   皆様いかがお過ごしでしょうか?利用者K・H・Aです。
   さて、先日3月18日に荻窪駅前センターではオフィスワークシミュレーション企画広報課にて、カリキュラム説明会を行いました。
   この説明会では、ウェルビーに関わっていただいている区役所の方や計画相談の方向けに、ウェルビーでどのようなカリキュラムを行い、就労に向けてどのような訓練しているか、また就労後も継続して働き続けるために何が必要なのかを説明し、一部を体験していただきました。

   まず、各カリキュラムについて企画広報課全員でプレゼンテーションを行いました。発表する利用者が台本を各自で作り、各々発表していました。それにより利用者が自分自身で参加して感じたそのカリキュラムの魅力や効果について話されていました。各カリキュラムについて簡単に説明をしたいと思います。

ウェルビー荻窪駅前センター写真①「カリキュラム説明会」

PC訓練
   この訓練には4種類あり、訓練内容は短文入力、タイピング練習、データ入力、数値入力です。
   短文入力では10分間で短文を見本通りに何問入力できるか、また10問の入力を何分で終わらせることができるのかを練習する訓練です。
   タイピング練習ではキーボードの位置を覚え、入力速度を上げる訓練となっています。キーボードを上段中段下段と分け各段ごとに練習し最後に通してやることでタイピングの向上につなげる訓練です。
   データ入力では実際に行われるデータ入力を想定した訓練です。読者アンケートを想定した入力作業を行います。名前、住所、メールアドレス、質問項目など計9項目を決められたフォーマットに見本画面通り入力します。
   数値入力ではシートに印字された数字を決められた手順でフォーマットに入力し、1枚の入力作業にどのくらい時間を要したのかを測定する訓練です。

就活プログラム
   ウェルビ―では就職=ゴールではありません。就職活動にあたり、「より良く、より長く働くため」に何が必要で何に取り組むべきかを学びます。一般的にイメージする就職活動の一歩二歩手前からスタートします。スライドを使った講義形式のカリキュラムとなっています。過去の振り返りを行う『就活サポートノート』を使い自己理解を深堀りすることで、自分に合った働き方や条件を見つけていきます。
ビジネスマナー
   就職活動をするときの書類の送り方、面接の受け方という基本的なことや、企業に就職してからも役に立つビジネスマナーについて学ぶことができます。名刺交換では利用者同士で練習をしています。また、お茶出しでは来客者様に実際にお茶出しをすることでより実践的な訓練をしています。
ディスカッション
   このカリキュラムにはAとBがあり、Aは利用者主体、Bは職員の決めたお題で話し合いを進めていきます。
   他の人の意見に対して、否定しないようにどう話合いをするのか。また、多数決で決めないように全員に同意してもらうのか。を意識して実践しています。
ベーシックトレーニング
   ベーシックトレーニングはウェルビー独自の軽作業を主体としたカリキュラムです。
以下の4つの項目があります。
・ピッキング業務を意識したゼムクリップの仕分け
・事務職全般を意識した電卓計算、カード作成
・ファイリングなどの業務を意識した仕分け帳票整理
・製造業やライン作業を意識したプラグタップの組み立て、解体
の4項目の訓練を週に1度、2時間続けておこなっています。

グループワーク
   より良い人間関係を築くことで職場でよりよく働きやすくなります。
「コンセンサス」や「アサーション」をテーマにしながら例題に沿って話し合いを進めていきます。
「コンセンサス」を学んでいるなかで気をつけている事は、相手の意見をしっかりと聞くことです。相手の意見は、自分では思いつかなかった考えをもっているので参考にしています。
「アサーション」を学んでいる時は、グループ内で一人ひとりセリフ口調で発表しあうことが多いです。相手の言い方を褒めたり、他にも別の言い方あるか、など発表の時間までよりいいものにしようと話し合っています。
オフィスワークシミュレーション
   会社を想定した環境で、企画広報課・総務課・庶務課の3つに分かれてロールプレイを行い、日々の訓練を身に付けたスキルを実際に活かす方法を身に付けます。
   企画広報課…チーム内で司会、書記などで役割分担し、アイディアを出し合い、チームで目標達成を目指します。チームで作業を通じて、他者に伝える事(自己発信)や相手の話を聞くこと(傾聴)の大切さを学ぶことができ、コミュニケーションスキルの向上に繋げます。
   総務課…こちらでは、電話応対と並行作業を行います。電話応対では日本全国にあるセンターと実際に電話をつなぎ、敬語の使い方や上長への電話取り次ぎなど練習をしています。並行作業ではパソコンでの作業や軽作業など実際の事務的な仕事を行います。また、作業しながら電話を取ることが必要になるので、電話応対力と合わせて、電話応対をしながら作業を遂行する能力も身に付けることが出来ます。
   庶務課…こちらでは、軽作業としてウェルビーで使用する備品の管理をしています。庶務課は軽作業・庶務作業といった作業内容であり、封入作業、DM発送、押印作業、インターネットを活用した情報収集やデータ入力など、幅広い職種に対応した実際の業務を経験することができます。品質(丁寧さ)、手順書(指示)の理解、仕事の効率や正確性が求められ、振り返りを行うことで職場で想定される課題を見つけ、対処方法を一緒に考えていきます。
頭の体操
   楽しみながら脳の活性化につながるレクリェーションを行っています。職員が用意したものだけでなく、利用者が自主的に用意する機会があります。
ウェルビー荻窪駅前センター写真「頭の体操」②

特別プログラム
   土曜日や祝日に行われるカリキュラムです。模擬面接といった就職活動の準備や、PowerPointを使ったポスターの作成、認知行動療法によるストレスマネジメントなど、就労後にも役立つ知識を学ぶことができます。また、利用者による発表などもある為、人前にたつ訓練にもなります。
スキルアップトレーニング
   自身のスキルを向上させることを目的とした訓練です。
   それぞれが今必要なこと、今後に備えておきたいこと、得意なことを伸ばすため苦手なことを克服するために活用しています。何をするかなどは職員と共に相談し、訓練を決めています。
ウォーキング
   体力の増進や交通ルール、マナーを守り、時間を意識した行動や集団行動ができるような訓練と共にリフレッシュも兼ねています。
リフレッシュ
   ウェルビーに置いてあるトランプやウノなどのカードゲーム等を使って、利用者同士や職員の方も加わっていくつかのグループに分かれてみんなで楽しむ時間です。

   次にその中で紹介された、いくつかの訓練を実際に体験して頂きました。
   軽作業とパソコンでの作業を体験して頂きました。作業の説明をしている中、参加された方々が作業を行うという緊張感により固くなっているところを「テストではないので安心してください」といったジョークを挟みながら和やかに進行していきました。

   パソコンでの訓練では、目標を定めデータ入力を体験して頂きました。
   体験された方々はプレゼンテーションの内容をより深く感じて頂けたと思います。体験中に「難しいことをやっているのですね」や「これは大変だ」などの声を頂きました。プレゼンテーションでは伝えきれなかった部分を感じて頂けたと思います。

   軽作業では、事務作業を見据えた仕分け・帳票整理の訓練と電卓計算の訓練を共に5分間体験して頂きました。
   仕分け・帳票整理作業では、郵便物の仕分け、帳票・伝票整理、ファイリングなどの業務を想定しています。このカリキュラムを通じて、素早く正確な情報処理、ルールに従った判断の訓練となっています。住所などが書かれたカードを指示書に従い仕訳けていくといたものとなっています。この体験に参加して下さった皆様は仕分けのカードの量に驚かれており、慣れない作業ながら真剣に取り組んでくださいました。

   電卓計算では事務職全般で数字を取り扱う作業を想定しています(請求書、納品書、経費精算等)。こちらの体験では皆様のスピードがとても速く驚き、普段この訓練を行っている利用者の方からも早いとの声がありました。電卓の使い方として左手で打ち右手で書くというのが推奨されているが、実際に使っている人たちが右手で打っているのを見ることで決まりはないということに気づくことができた、という声も聞こえました。訓練で行っている作業が社会人スキルとして実際に必要なのだなと再確認しました。
   今回の体験を通して普段自分たちが行っている訓練がどのように実務に繋がっているかを知っていただけたと思います。

   説明会の後半では参加された方々から質問とその回答、感想を一部抜粋して紹介します。
質問と回答
・苦手な作業はどう克服していったか?
→人前に立つことが苦手だったが日直で朝礼をすることで、人前に立つことが少し苦手意識が薄れた
・スキルアップの内容はどのように決めているのか?また方針はどのようになっているのか?
→一人一人それぞれにあった訓練と方針を面談時に職員と相談して行っている。
感想
・実際に体験することで今後の支援に活かすことができると思いました。
・ビジネスの基本が詰め込まれたカリキュラムを感じた。
・プレゼンテーションの時間配分のずれが少なく素晴らしかった。

等様々な意見を聞くことができました。また、終了後のアンケートでは「ビジネスの基本が詰め込まれたカリキュラムを感じました。コミュニケーションの大切さを改めて感じました」といった意見もいただくことができました。

   最後に今回のイベント、準備を振り返ってのインタビューを企画広報課の方に行い、意見を聴かせていただきました。一部をご紹介したいと思います。
1.準備で大変だったところは?
・台本の作成を短い時間で作ったこと。
・人数が多い中、意見をまとめるのが大変で、時間ばかりが過ぎてしまったところ。
・大人数での取り組みだったのできちんと意識の共有ができているのかという不安。
・自分が今、何に対して取り組んでいるのか情報をちゃんと皆に発信できていたか。

2.実際にイベントを行ってみてどういうことを感じましたか?
・褒められて嬉しかった。
・達成感が得られた。
・統制の取れた動きをチーム全員で行えていたこと。

3.全体を通してもう少し工夫が出来たこと、改善できたと思うことは?
・スケジュール管理。
・期日を意識した緊張感。
・どのようなイベントにしたいかといったイメージ共有が足りていなかったと思います。

4.全体を通して良かったこと、楽しかったことは?
・イベントの最後に全員が参加者の前で感想を言えたこと。
・感想のアンケートで大満足という言葉を頂けた。
・苦手なことから逃げてはいけないな、と前に進む勇気をもらえました。
・毎回の会議で皆が「よりよいもの」を作り上げようと、積極的に意見を出し合っていたのが一番楽しく、印象に残っています。
・企画広報課7人全員出席したこと、本番が上手く出来てよかった。

5.イベントを通して学んだことは?
・メンバー全員で助け合いながらやること。
・大人数の意見は基本短時間でまとまらないので、不完全な状態でも前に進むことも大切だと学びました。
・イベントを通し自分も初心に返る事が出来ました。
・アサーティブな言動の必要性を学べた。
・大人数で目標へ向かって進んでいく大変さと、やってきたことが報われた思えた時の達成感。

6.全体の感想
・もっと、Excel、Word、PowerPointを勉強しようと感じました。
・個人的な課題が明確になり、実りのある時間になった。
・一人一人が全力で企画に向かい合っていたと自分は思っています。
・「チーム」として個人個人がベストを尽くせば失敗や改善点はあったとしても後悔はないと思いました。

   今回の感想ですが、この説明会を通して伝えることの難しさ、時間の管理の難しさを身をもって実感しました。この経験は社会に出ても役立つと思います。
   「訓練内容と目的」を体験を通して知っていただいたことでよりウェルビーでのカリキュラムがどのように就活、就労後の定着に活かされているかを伝えることができました。
   また、自分たちも初心に戻り意識する事が出来たので、これからの訓練にも役立てると思います。

   紹介したカリキュラム等は見学に来ていただければ体験いただけますので、ご興味ある方はお気軽に見学、体験にいらしてください。