職場での同僚・先輩・上司とのコミュニケーション

就職活動ガイド

同僚とのかかわり方

同僚とは

同僚とは、同じ職場で働いていて、地位などが大体同じ程度の人をいいます。(この場合、一般には先輩や後輩も含みますが、ここでは比較的入社時期の近い人の意味で説明していきます。)
社内で一番親しくなれるのは、やはり同僚だと思います。人生の親友になることも少なくありません。

仕事は人生の大半を占めるものですから、その時間が楽しければ人生も充実するはずです。
職場で一生の親友ができたら、是非大切にしましょう。

しかし、会社に属する以上は“ケジメ”が大切です。

慣れ合いは仕事面で必ずマイナスをもたらします。

同僚はよき友であると同時にライバルでもありますから、職場では適度な距離感を持って付き合うのが大人としてのマナーです。親しき仲にも礼儀が大事というわけです。

同僚との接し方のポイント

同僚への接し方としては、あくまで職場内で馴れ馴れしくしないことが大切です。たとえプライベートで仲が良いとしても、職場は仕事をする場所です。周囲の目もありますので、職場とプライベートの接し方は明確に区別しましょう。

同僚に話すときは、背中をピンと伸ばして「これからちゃんと話しますよ」と言うスタンスを示すことで、相手に対し話したい意欲が伝わります。この場合、相手が座っていれば自分も座って、相手が立っていればこちらも立って、お互いの目線が合うことを心掛けます。

次に、周囲の雑音にわずらわされずに集中した有意義な対話の場をつくるため、お互いの距離と位置の設定を考えます。相手との距離は、握手するのにちょうどよいくらいが適切です。それ以上近いと圧迫感が出ますし、逆に遠いと疎外感が出ます。机を挟んでの対話も多いですが、座る時にうまく距離を工夫するとよい結果が出やすいです。また、対話するテーマの真剣度が高い場合は向き合って座り、逆に軽いテーマの場合は相手の斜め45度で座るとよいと言われます。まっすぐに向き合うと緊張感が醸成されるためです。

さらに、断定的な言い方は避けることがベターです。「間違いありません」とか「決まっています」といった自己完結した言葉遣いをすると「こちらから何を言っても仕方ない」と、相手は対話する意欲が下がります。対話の広がり(アドバイスや指導)の機会につなげるためにも意識したいポイントです。

よきライバルとして

ここまで、かかわり方について述べてきましたが、まずは自分の仕事が最優先です。

同僚の対応にばかり気をとられて仕事が回らなくなる、ということがないようにしましょう。
対応が辛いときは淡々と自分の仕事をすればよいと思います。仕事上の相談は必要ですが、相手のプライベートの悩みについては、無理に対応することはありません。私が話を聞いてあげなければと気負いすぎないようにしましょう。

そして、同僚は対等な立場であることに変わりない、ということを肝に銘じておきましょう。

仕事ができる同僚など、「すごいな」と思うことがあるかもしれませんが、変に委縮したり、嫉妬する必要もありません。
大切なのは、お互いの仕事にプラスになり、切磋琢磨し合える関係を構築することです。定期的な情報交換で知識を増やす、相手が不得手な分野を教える、自分が知らないことを相手から得る、相談を聞いてもらったり、相談に乗ってあげたりする、といったかかわり方がベストだといえます。
また、同僚が仕事で成功したり昇進したら激励し、時に相手が間違えていたら教える、相手から間違いを指摘されたら真摯に聞く、というのも同僚だからこそできるといえます。


先輩・上司とのかかわり方

上司と先輩との人間関係

先輩、上司とは

先輩とは一般に、その会社に先に入社した人をいいます。ここで年齢は関係ありません。あくまで入社時期(一般には入社年)が早いか遅いかです。(先輩であっても同じ職場で働いている場合は同僚と呼ぶケースも多いですが、ここでは区別して扱います。)

これに対し上司とは、自分の上席者、つまり管理者になります。当然何らかの役職があります。上司は会社に対し、部下である自分を管理する責任を負っています。

先輩と上司との接し方のポイント

先輩・上司とのかかわり方ですが、まず、“先輩・上司の話は素直に聞く”ということに尽きます。

自分が入社して間もないのであれば、会社の戦力としては低いはずです。たとえこの業界の経験が長く、知識が豊富だとしても、この会社の仕事の進め方は知らないわけですから、戦力としては高くないといえます。

したがって、仕事の進め方は教えてもらわないといけないわけです。
仕事を教えてくれる先輩や上司にとっては、自分に教える時間を割く分、自身の仕事をする時間が削られ、マイナスといってもいいでしょう。
一生懸命仕事を教えようとしているのに、教えられる側が素直に話を聞かないのでは、教えている方としていい気持ちはしません。
素直に聞く耳を持ち、教えられたことに対して「分かった」もしくは「分からない」という意思表示をしっかりすることで相手も教えやすいです。

教えたことを一つ一つ身につけて仕事を「ものにしていく」成長を見れば、教えている側も嬉しい気持ちになり、教えることに感謝してもらえればもっと教えようという気になります。
こうして、より良い関係になっていけるわけです。

仕事をするうえで、先輩や上司は選べません。素晴らしい人格で、尊敬できるような人につくかどうかは分かりません。
それでも、人の好き嫌いにかかわらず仕事はこなさなくてはいけないものです。
好きになれないような場合は現状以上に関係を悪くしないこと、つまり、親しくなろうと無理に近づくのではなく、常に一定の距離感を保つようにすることも懸命だと思います。

年下の先輩・上司の場合

社会人の場合、歳には関係なく先に入社した先輩や上司を敬わなくてはなりません。会社では自分より年下や同じ歳の先輩、上司は必ずいます。
また、自分の業界経験が長く、知識や経験年数が上司や先輩より上であっても、上司は上司、先輩は先輩です。

敬語や敬称を使うのはもちろんのこと、上から目線で接するようなことは絶対にNGです。
同じ歳であろうと年下であろうと、立場をわきまえた対応を心がけましょう。

また、先輩、上司が年下だから、と軽く見て「報告・連絡・相談」を怠ることがないようくれぐれも注意しましょう。

さらに、会社、職場にもよりますが、目上の人を呼ぶ場合は役職を付けるのが一般的です。
例えば、「○○部長」「××課長代理」などと呼びます。あらかじめ社内で呼び名が決められている場合を除き、気安く「○○さん」などと呼ぶのは控えましょう。


会社や組織には、必ず一人や二人、苦手に感じる人がいます。
しかし、苦手だからと常に感情が揺れているようでは仕事の効率も下がりますし、自身の精神状態にも良くありません。
顔を合わせたくないと感じる日もあると思いますが、そんな時は「生活のために仕事をしているんだ」「給料をもらうためには仕方ない」と割り切ってしまうことも大切です。
「プライベートの時間では苦手な人との煩わしい関係はなくなる」とか「そのうちに自分に合った人に当たる」と考えて、仕事後は極力思い出さないようにする工夫をすると良いでしょう。


プライベートな情報はどこまで話すか

相手のことを何も知らないと、相手の立場を考えたコミュニケーションが難しくなります。
思慮深い人であれば、相手を配慮しながら会話していくために、事前にその人の状況を確認しておくこともあります。つまり必要最低限の情報収集です。
ですので、近い同僚や上司などには、さし障りの無い程度で自分のことを知っておいてもらうことで、お互いに相手を考慮した接し方が出来る場合があります。

特に自分の障害についてきちんと理解してもらうことで十分な配慮をしていただくことが可能になります。

上司に対しては障害特性についてきちんと説明し、理解を得たうえで、周囲にも配慮を促してもらうようお願いしておくとよいと思います。

ただし基本的には、信頼できる人や、必要性を自分で感じた時以外はむやみに個人情報を開示する必要はありません
全く必要性がない質問や興味本位で聞いてくるような場合、教える必要はないと考えていいのではないでしょうか。

もししつこく聞かれた場合、住所などは、「○○区」だけ、連絡先などは「また今度教えますよ」などと濁すのも手です。
また、笑顔で「まあ私のことはいいじゃないですか、ハハハ」とやんわり断ったり、「私より××さんはどうなのですか?」と逆に質問したりするという方法もあります。
もしどうしても答えるのが嫌なら、「すみません。個人的なことはあまり話さないようにしているので」と丁重に断るのもよいと思います。
無用な質問に答えれば答えるほど、さらに相手は聞いてきますので、『プライベートな話はここまでしかしない』と自分なりに境界線を決めておきましょう。

逆に、こちらから相手の個人情報を聞き出す場合も注意しなければなりません。

何でもかんでも質問すると嫌がられてしまいます。そうかと言って配慮し過ぎて何も聞かないのでは関係は親密になりませんので、会話の中でチャンスを見つけましょう。
相手が「これは話しても良い」と思っている内容なら、チラッと会話に現れることがあります。それを見逃さずに質問をしてみます。

例えば、相手が「今日、電車がトラブルで遅れていつもより出勤時刻が遅れた」と言った場合に「どちらにお住まいですか」と尋ねれば自然に返してくれると思います。
話題になっていないのに、いきなり「どこに住んでいますか」と聞かれると身構えますので、会話の流れの中で聞くことで失礼にならないようにします。

チャンスがなかなか訪れない場合には遠慮がちに聞いてみる方法もあります。
「差し支えなければどこにお住まいか聞いても良いですか?」と質問すれば相手はそれを拒否することもできるので、濁されたとしてもそんなに悪い印象は残らないはずです。


お酒の席に誘われた場合

お酒とコミュニケーション

日本では職場コミュニケーションの一環として、飲み会を実施する慣習があります。

様々な意見がありますが、参加することで職場内の人たちと良好なコミュニケーションが取れるようになったり、苦手に感じていた人と仲良くなれたりと、仕事がしやすくなることはあると思います。
ですので、飲み会に参加できる場合は、3回に1回くらいは参加するのも良いかもしれません。
ただし、体調を崩してまで参加するのは本末転倒です。

会社では仕事をきちんとこなすことが最大の目的ですので、きちんと体調管理することを優先させましょう。

医師から禁止されているわけではないが、どうしても行きたくない、しかしはっきりと理由を言って断るのが難しいという場合、「いま体調が悪い」、「家族との約束がある」、「お金がない」、「来客がある」、などの理由で断るケースもあるようです。

ただし、嘘をつくとその後も嘘を続けなければならなくなりますし、嘘が露見しないかストレスを感じることもあります。
また、何度も断っていると誘われなくなることも頭に入れておく必要があります。

これに対し、投薬などの理由から医師によりお酒を禁止されている場合など、お酒自体を飲めない方は、正直に飲めない理由を話した方がいいでしょう。
一回だけ参加する飲み会ならともかく、長く付き合う相手との飲み会なら今後のためにも正直に話しておくべきです。また、場の雰囲気によってストレスを感じて体調が悪くなってしまうような場合も同様です。
ここでポイントなのが、「飲まない」「参加しない」のではなく「飲めない」「参加できない」ことを相手にきちんと理解してもらうことが重要です。
そして断る際には、「誘ってくれてありがとうございます」とか「せっかく誘ってくれたのに断ってしまって申し訳ありません」といったさりげない一言があると、単に断るのと印象が違います。
もしお酒(アルコール)が単純にNGなだけで、大勢でワイワイする席への参加に問題がない場合は、予め理由を伝えてウーロン茶などを飲むことも問題ないですし、決めておいた時間で途中退席することも可能だと思います。
最近は、コミュニケーションの場として、お酒なしのランチというのも増えてきました。自分の体調と相談して無理のない程度で参加しましょう。

職場での円滑な関係づくり
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