みなさんは「怒り」の感情とどのように向き合っていますか?
アンガーマネジメントは、1970年代にアメリカで始まった心理療法をベースとした「怒りと上手に付き合う」「怒りの感情をコントロールする」ための心理トレーニング方法です。
アンガーマネジメントは、「怒らなくなるための方法」ではありません。
怒るべき事はしっかり怒り、そうでないときにはむやみに怒らないようにする。
「怒りの感情をコントロールする方法」なのです。
私たちを怒らせる原因、怒りの正体はいったい何でしょうか。
「○○さんが挨拶せずに無視した」「自分の物を落としたのに謝らなかった」などなど、他人や自分の外の問題が自分を怒らせる、と思いがちですが関係ありません。
実は、自分の中にある「~するべき」「こうあるべき」という「べき」の考え方にあります。
たとえば、社会人とはこうあるべき、親は子供にこう振る舞うべき、という自分の価値観を人は誰しも持っていますが、その価値観が、現実とギャップを感じ、裏切られた瞬間に「怒り」が湧くのです。
「べき」は下記の図のように3つの境界に分けられます。すなわち、「自分と同じ」、「少し違うが許容できる」、「自分と違う」、というエリアがあり、人が怒るのは「自分と違う」の状態に至ったときです。
まずは、自分の中にどういった「べき」(価値観)があるのかをしっかり考え、どういうときに自分が怒りを感じるのかをしっかり把握することが大切です。
その後で自分の価値観とは違うけれど、相手の行動が許容できるものかどうかを考えましょう。「これならまあ許せるかな」という部分をできるだけ沢山つくります。その許せる範囲を広くすればするほど許せることは増えていくのです。図にある「少し違うが許容できる」という黄色いエリアを広げていけるようにしましょう。
怒りの感情のピークは最大でも6秒程度と言われています。
怒りの原因に反応すると「カチン」と来ます。そこから6秒以内で発する言動や行動は非建設的な対応になる傾向があります。
反射的な怒りに身を任せてしまうと、トラブルになってしまったり自己嫌悪におちいってしまうことになります。そのためには、「最悪の6秒間」をやり過ごす有効な方法をマスターしておく必要があります。
怒りやイライラした時には、6秒間のうち息を深く吸って呼吸を落ち着けましょう。
そのあとに自分を落ち着かせるセリフを頭の中で唱えます(声に出しても構いません)。
「大丈夫、大丈夫」「大したことない」など自分で考えられるもので構いません。
ちなみに少し長いセリフですが「これは自分の人生に必要な怒りか?」というのもおすすめです。あなたの貴重な人生の時間を怒りに費やす事は、はたして生産的なことなのかを考える事はとても大切です。まずは、6秒間をやり過ごすことから始めてみましょう。
「まず大事なのは『怒ることは間違いである、悪いことである』という思い込みをなくすことです。自分の感情を否定することは非常にストレスとなります。
怒ることは悪いことではありません。間違っていることに対して自信を持って怒ることはとても大切です。