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障害者手帳で割引される主なサービス一覧を紹介!割引を受けるための条件とは

障害者手帳で割引される主なサービス一覧を紹介!割引を受けるための条件とは

障害のある方に対する医療費などの意図しない支出負担への支援や、健常者と平等に様々な活動に参加できるようにサポートすることを目的として、「障害者手帳」を持つ方向けに各種割引制度が用意されています。

ここでは、「身体障害者手帳」「療育手帳」「精神障害者保健福祉手帳」を提示すると受けられる交通機関や映画館、レジャー施設等の割引制度について、詳しくご紹介します。割引を有効に活用することで、ご自身が行きたいところ・活動してみたいことにお得にチャレンジできます。制度や割引を受けるための条件を正しく理解して、今後の割引利用に役立ててください。

障害者手帳の割引が適用される主なサービス一覧

「身体障害者手帳」「療育手帳」「精神障害者保健福祉手帳」といった障害者手帳を提示することで、公的機関に加えて、映画館やテーマパークといった民間企業・組織が運営する様々な割引サービスが受けられます。

障害や病気のある方は、色々な理由で外出が難しいことがあります。しかし、このような割引サービスを使うことによって金銭面の負担が抑えられ、外出へのハードルを下げることにつながります。また、障害者手帳を持つ本人だけではなく、付添人(介護者・介助者)も同じく割引が適応されることもあります。特に映画館やテーマパーク等で付き添いする友人も割引が適応されるところもあるので、友人と一緒にお得なサービスを受けることもできます。

主なサービスについてそれぞれ紹介していきます。なお、記載の内容は2024年7月現在の情報です。

鉄道の運賃

JRや私鉄は、「身体障害者手帳」「療育手帳」を持つ方を対象に、旅客運賃の障害者割引を行っています。運賃の割引は障害の「等級・度」及び「種」、介助者がいるかどうか、片道の乗車距離等で割引率が変わります。

現状として「精神障害者保健福祉手帳」については割引対象外となっていることが多いですが、ここ数年、精神障害者にも割引対象を広げる動きがあります。大手私鉄・京成電鉄では2024年6月から割引が適用されており、JRでは2025年4月1日以降に割引適用を予定しています。

また、自治体で運賃の割引制度を用意している場合もあります。例えば、東京都は、都内に住民票がある障害者手帳の保持者に「都営交通無料乗車券」を交付しています。それによって、東京都営の電車(都営地下鉄、東京さくらトラム、舎人ライナー)に無料で乗車できます。ただし都内であっても、JR・私鉄・東京メトロは対象外です。

大阪市では、障害者手帳を持つ方が、Osaka Metroが運行する地下鉄・ニュートラムに割引運賃で乗車できる無料乗車証・割引証を交付しています。例えば、「精神障害者保健福祉手帳(2級)」を持っている方は、本人単独で乗車できる無料乗車証が交付されます。

飛行機の運賃

主要な航空会社(ANA・JAL)では、障害者手帳を持っている方と付添者1名(同一便に搭乗する満12歳以上の方)の運賃が割引になります。参考として、JALの場合、フレックス(当日まで購入できる・予約が変更できる)やセイバー(前日まで予約できる)の運賃から2割引されます。ただし、対象となるのは国内線のみです。また、ベースとなる運賃は時期等によって変わるため、一概にいくらになるとあらかじめ決まっているわけではありません。

バス・タクシーなどの運賃

バスの運賃は、多くの自治体で割引制度が設けられています。例えば東京都では、「身体障害者手帳」「療育手帳(愛の手帳)」を持っている方は、先述の「都営交通無料乗車券」によって都営バスを無料で利用できます。「精神障害者保健福祉手帳」を持っている方も、「精神障害者都営交通乗車証」で都営バスが無料になります。ただし都内であっても、民営バスは対象外です。

大阪府では、障害者手帳の「等級・度」「種」に応じて「半額・無料・本人と付添人が無料」のいずれかで、大阪シティバスが利用できます。

また、タクシー会社でも、独自に障害者割引を整えている場合があります。日本交通株式会社では、各種障害者手帳がある方は「障害者割引」で運賃が1割引になります。フェリーも同様に、例えば太平洋フェリーの場合は、基本運賃から半額になります。

携帯電話・スマートフォンの料金

ドコモ・au・ソフトバンクの三大キャリアでは、障害者割引が用意されています。いずれも基本使用料とスマートフォンの契約時の事務手数料等が割引されます。ただし、条件によっては適用されないプラン等もあるため注意が必要です。楽天モバイルをはじめ格安SIMのほとんどには障害者割引はありません。

国公立運営の美術館・博物館などの入場料

国や自治体が運営している美術館、博物館、科学館のほとんどは、窓口で障害者手帳を提示すれば無料で入れます。例えば、東京・上野の「国立西洋美術館」は、本人と付添者1名が常設展・企画展ともに無料、また大阪の「大阪市立自然史博物館」は入館料が本人と付添者1名が無料です。ただし、特別展については一部割引料金が適用されることがあります。

そのほか、国や自治体が運営する劇場や演芸場、お城、お寺、神社、庭園等はそれぞれの施設によって異なります。また、民間の動物園、水族館、植物園、サーカス等もほとんどが割引料金で楽しめます。なお、施設によっては駐車場も割引料金が適用されることもあります。公式サイト等で確認しておきましょう。

映画の鑑賞料金

大型映画館(TOHOシネマズ、ユナイテッド・シネマ、109シネマズ、イオンシネマ等)も、障害者割引を行っています。基本的に、等級にかかわらず適用になることが多いです。例えば、イオンシネマは、本人と付添人2名まで1,000円で映画鑑賞が可能です。高校生以下はもともと1,000円であるところが多いので、それ以上の割引はありませんが、同伴者に対して割引が適用されます。ただし、特別興行においては適用外となることもあります。

カラオケ・ボウリング等のレジャー施設の利用料金

運営会社によって異なりますが、カラオケやボウリング等のレジャー施設の利用料金も、障害者割引が適用される場合があります。例えばカラオケ大手のジャンカラでは、障害者手帳を提示することで、本人と付添者2名までシニア料金と同じ価格になります(店舗によってシニア料金が異なります)。

テーマパーク・遊園地の入場料

多くのテーマパークや遊園地でも、障害者割引が適用されます。オリエンタルランドでは本人と付添人1名が割引されますが、アトラクション等の利用には健常者の同伴が必要です。USJでも、本人と付添者1名が半額で入場券を購入できます。いずれも、窓口や各種予約サイト等で購入できます。

スポーツの観戦チケット

野球・サッカー・ラグビー等のスポーツ観戦チケットも、各団体が個別で障害者割引を行っているケースがあります。例えば、プロサッカークラブのヴィッセル神戸では、障害者手帳を持っている方が観戦チケットを購入する際に、障害者割引制度が適用されます。車いす席も確保できます。

ホテルの宿泊費

国内のホテル・旅館等でも、障害者割引を行っている場合があります。例えば、全国各地の休暇村では、本人と付添者の客室・コテージ・キャンプ場の利用料が割引されます。宿泊を検討している場合は、各施設の公式サイト等で調べてみてください。

障害者手帳があると割引を受けられるのはなぜ?

障害者手帳を持っていることで、なぜ様々な割引サービスが受けられるのでしょうか。その目的や考え方について触れていきます。

障害者手帳について

障害者手帳についておさらいしましょう。心身の機能に一定の障害があると認めた場合に各自治体が交付するもので、「身体障害者手帳」「療育手帳」「精神障害者保健福祉手帳」の3種類があります。どのような障害かによって次のように区別され、根拠となる法律もそれぞれ異なります。

身体障害者手帳
根拠:身体障害者福祉法
対象:視覚障害、聴覚障害、肢体不自由等、身体の障害がある方に交付されます。
療育手帳
根拠:法的位置付けではありませんが、「療育手帳制度について」に基づき各自治体で運用
対象:主に知的障害がある方に交付されます。自治体によっては、「愛の手帳」「みどりの手帳」など別の名称で呼ばれることもあります。
精神障害者保健福祉手帳
根拠:精神保健及び精神障害者福祉に関する法律
対象:統合失調症、双極性障害等の気分(感情)障害、てんかん、高次脳機能障害、発達障害等、精神疾患のある方に交付されます。

「身体障害者手帳」は、原則として更新はありません。ただし、治療によって症状の改善・軽減が予想される場合は、しばらくした後に再認定を行うことがあります。「療育手帳」「精神障害者保健福祉手帳」については、定期的に再判定・更新が行われます。

出典:厚生労働省|障害者手帳について

割引を受けられる理由は?

障害者手帳を交付する理由は、障害がある方の自立や社会参加を促すことです。そのため、障害者手帳を持っている方に、様々な支援やサービスが提供されているのです。

加えて、障害がある方やその家族は、意図しない出費を余儀なくされる場面が多々あります。具体的には、医療費とそれにともなう交通費、補装具(補聴器、車いす等)の費用だけではなく、障害による特有の問題から生活費がかさんだり、体調が不安定であるため仕事を制限せざるを得なかったりする場合もあります。

障害がない方よりも金銭面での不安を感じやすいため、割引をはじめとした様々なサービスによって支援がなされています。付添者や同伴者も同時に割引されることも多いため、障害者手帳をお持ちの方が1人で外出するのに困難・不安を感じている場合も安心です。

障害者手帳の提示で割引を受けることにマイナスな気持ちを抱く必要はありません。ご自身の社会生活に役立てられるように、すすんで利用してみてください。なお、割引を受けるためには条件があるので、利用する前に当てはまるか確認しておくことをおすすめします。

障害者手帳で割引を受けるためには2つの条件がある

様々な割引を受けるにあたって、必須条件とも言えるのが下記の2つの点です。

1. 障害者手帳を所持していること

大前提として、「身体障害者手帳」「療育手帳」「精神障害者保健福祉手帳」のいずれか、もしくは複数を持っていることが認められた場合に割引適用の対象となります。ほとんどの施設で、障害者手帳の原本または障害者手帳アプリの提示をすることが、サービスを受けられる条件になっています。

「障害者手帳を自宅に置いてきてしまった」「更新を忘れていて有効期限が過ぎている」といったことがないようにしましょう。また、障害者手帳アプリには対応していない施設もあるので、あらかじめ調べておいたほうがスムーズにやり取りできます。

2. 「等級・度」「種」が割引条件を満たしていること

障害者手帳では、「等級・度」「種」によって障害の程度を示しています。障害者数字が小さいほど、障害の程度が重くなります。また介助等を行う付添人の要・不要の判断材料にもなります。これは医師の意見書をもとに判断され、障害者手帳に記載されています。ただし、自治体によっては表記が異なる場合もあります。ご自身の「等級・度」「種」を見て、各種割引を受ける条件を満たしていれば利用できます。

まとめ

障害者手帳を提示することで、国が運営する美術館や博物館をはじめ、バスやフェリーも含めた交通機関、水族館・動物園や映画館、遊園地・テーマパークといった民間が運営する施設まで、幅広く割引を受けられることがあります。割引制度を活用して、ご自身の行きたい・楽しみたいことにチャレンジしてみてください。

様々なことに挑戦するためには、自分自身の特性を知っておくことが重要です。ウェルビーキャンパスは、「発達障害ではないか」と悩む学生向けに解決策や情報を提供しています。病院や専門機関に相談する前に、特性を知るセルフチェックも行えますので、ぜひ利用してみてください。

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