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障害や病気に関する相談窓口・支援機関一覧

障害や病気に関する相談窓口・支援機関一覧

「進学先で勉強についていけない」「学校での人間関係がうまくいかない」とお悩みではありませんか?
「将来就職してから、うまく働けるか不安」と、卒業後の進路について悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。
発達障害に関するお悩みを持つ学生の方も少なくないでしょう。
本記事では、発達障害の特徴や発達障害関連のお悩みを相談できる窓口、医療機関での診断について解説します。
記事後半では就労支援についても解説しますので、就職で悩んでいる学生の方は、ぜひ参考にしてみてください。

日本における若年層の発達障害数

日本の若年層で発達障害の方はどの程度いるのでしょうか。
厚生労働省の調査によると、発達障害と診断された10~20代の若者は22万9千人にのぼります。
発達障害者総数のうち10~20代が占める割合は48%と、約半分の割合を占めており、10~20代で発達障害と診断された若者のうち、83%が障害者手帳を所持しているという現状です。

2024年3月時点の情報になります。

引用:厚生労働省|平成28年生活のしづらさなどに関する調査 結果の概要 第3表

発達障害の診断名とそれぞれの特徴

発達障害は、生まれつき見られる脳の働き方の違いによって、行動や情緒に特徴があります。
発達障害にはいくつかの種類があり、それぞれ違った特徴が現れます。

ADHD(注意欠如・多動性障害)

ADHD(注意欠如・多動性障害)には、集中し続けることが不得手な「注意欠如型」と、じっとしていられずに行動してしまう「多動・衝動型」の2つの特徴があります。どちらかの特徴が目立つ方もいれば、両方をあわせ持っている方もいます。
物事にエネルギッシュに取り組める半面、整理整頓やスケジュールの管理が苦手という方もいるでしょう。

ASD(自閉スペクトラム症)

ASD(自閉スペクトラム症)は、アスペルガー症候群や広汎性発達障害とも呼ばれます。
ASDの方はどちらかといえば、コミュニケーションを取るのが不得意な傾向にあります。「先の見通しが立たない状況だと不安が大きくなる」「特定の物事にこだわる」といった特徴を持つ方もいます。音や匂い、気温の変化など感覚刺激に敏感なのも特徴のひとつです。

LD(学習障害)

LD(学習障害)には、知的発達の遅れはないものの「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」など特定の学習が苦手という特徴があります。
これらのうち、ひとつではなく複数の能力がうまく発揮できない場合もあります。

発達障害かもしれないと悩んだら

高校生や大学生になってから、学校生活や就職活動などを通してご自身の特徴に気づき、発達障害と診断されるケースは珍しくありません。もしご自身が発達障害なのかもしれないと悩んでいる場合は、専門の窓口に相談するのがおすすめです。
たとえば都道府県や市区町村には、相談窓口があります。ご自宅の近くで相談したいという場合は、各市区役所・町村役場の福祉課にある相談窓口を利用してみても良いでしょう。各市区役所・町村役場の福祉課の相談窓口で相談した結果、さらに適切な場所を紹介してもらえるケースもあります。

発達障害に関する相談窓口

「自分は発達障害かもしれない」「発達障害と診断された」など発達障害に該当する方や、そのご家族の方にもご利用いただける相談窓口があります。

発達障害者支援センター

発達障害者支援センターは、発達障害がある方と、そのご家族を支援する公的機関になり、各都道府県や指定都市にあります。
発達障害者支援センターでは、発達障害や就職に関する悩みを電話やメール、対面で相談することができます。ご相談する際の申込方法は発達障害者支援センターによって異なります。お近くの発達障害者支援センターへお問い合わせいただくか、ホームページから最寄りの発達障害者センターを確認してみましょう。

障害者就業・生活支援センター

障害者就業・生活支援センターは、発達障害がある方の就労に関する支援や日常生活に関する相談を行う機関です。全国に337か所あり、登録すると無料で支援を受けることができます。(2023年8月22日時点)
障害者就業・生活支援センターでは、障害のある方がご自身の能力を発揮して就業できるようハローワークや地域障害者職業センターと連携して支援を行います。

また、就労移行支援事業者等と連携して、就業に向けた基礎訓練のあっせんも行います。
利用したい場合は、お近くの障害者就業・生活支援センターへ電話し予約します。その後、担当者と面談を行い支援の内容について話し合うという流れになります。

地域若者サポートステーション

地域若者サポートステーションは、就職への第一歩を踏み出したい15~49歳の方を支援する機関です。「働く自信がない」「コミュニケーションが苦手」「面接が怖い」など、就職に関する悩みをサポートしており、現在は全国177か所に設置されています。(2024年2月18日時点)
障害や診断の有無を問わず利用できますが、発達障害専門の機関ではありません。ただし在学中は利用できないため、学生の方は卒業後に利用しましょう。

一例にはなりますが、地域若者サポートステーションでは、以下のような講座を受講することができます。
また、2022年度に新規登録した方のうち、73.2%が就職または、公的職業訓練へ進んでいます。

【受講できる講座の一例】

  • コミュニケーション講座
  • ビジネスマナー講座
  • 就活セミナー
  • パソコン講座

なお、地域若者サポートステーションによって受講できる講座が異なることもありますので、詳しくはお近くの地域若者サポートステーションへ相談しましょう。

精神疾患に関する相談窓口

発達障害による特徴がきっかけで人間関係がうまくいかなかったりすると、ストレスや気分の落ち込みに繋がるケースがあります。ストレスが解消されない状態が続き、二次障害として精神疾患を発症する可能性も少なくありません。このような合併状態は、「重ね着症候群」とも呼ばれます。
ADHDの場合は、うつ病や双極性障害を発症する割合が高いとされています。また、ASDの方の場合、不安症や抑うつ障害を発症するケースが少なくありません。
以下からは、発達障害の方が精神疾患で悩んだときに、相談できる窓口をご紹介します。

精神保健福祉センター

精神保健福祉センターは、精神保健福祉法に基づいて、都道府県や指定都市に設置されている機関です。こころの病気や、アルコール・薬物の乱用などの相談に応じ、医療機関の紹介も行っています。
相談したい方は、地域の精神保健福祉センターに電話で問い合わせてみましょう。センターによっては、電話のあとに対面での相談も可能です。
精神科のデイケアもあり、主治医からの了承を得たうえで利用できます。

ひきこもり地域支援センター

精神保健福祉センターの「ひきこもり相談来訪者調査」によると、ひきこもっている方のうち30%弱の方は、発達障害の診断が出ていると報告があります。

引用:ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン

学校生活などで発達障害の特徴を理解してもらえず、不適応を起こしてひきこもりになるケースは少なくありません。発達障害がきっかけでひきこもりになった場合は、特徴に応じたアプローチが必要です。
ひきこもりの関する悩みをお持ちの方は、都道府県や指定都市にある「ひきこもり地域支援センター」への相談をご検討ください。来所、電話でも相談に応じてくれるほか、同じ悩みを持つ方が集まる場所も提供しています。

摂食障害全国支援センター

摂食障害もまた、発達障害と関連しています。広汎性発達障害の特徴である「物事への没頭や固執」は、摂食障害における「食事や体重へのこだわり」に類似しています。
発達障害と摂食障害の両方で悩んでいる場合は、摂食障害全国支援センターに相談すると良いかもしれません。相談ほっとラインでは、電話相談を受け付けています。
また、全国6か所に支援拠点病院があり、支援拠点病院や相談窓口の相談先は、摂食障害全国支援センターの相談ほっとラインから確認することができます。

病院(医療機関)の探し方

特徴によっては、幼少期に発達障害だと気づかず、高校生以上になって学校生活や人間関係を通してご自身が発達障害なのではないかと思う方もいらっしゃいます。

そのような方は、まずは本当にご自身が診断を受ける必要があるかどうかを考えてみましょう。診断を受けるか迷っている方に関しては、身近な方に相談をしてみたり、ご自身で検討したうえで診断をするかを決めても良いでしょう。

なお、診断をしてみる決断をされた場合、医療機関で発達障害の診断をしてもらうことも可能ですので、本項では病院(医療機関)の探し方をご紹介します。

発達障害の診察は精神科や心療内科で行う

発達障害の診察は年齢によって診察を行う科が異なります。成人の方の場合は心療内科や精神科、メンタルクリニックで行え、幼少期に該当する方は小児科や児童神経科、発達外来などで診察を受けることができます。お近くに精神科や心療内科があれば、発達障害の診察を行っているか問い合わせましょう。昨今は、「発達外来」を設けて、専門的に発達障害を診療している医療機関もあります。
なお、公的機関で支援を受けるために診断が必要な場合は、検査を行っている医療機関を探す必要があります。

医療機関を探す方法

医療機関を探す場合、通院可能な医療機関が近隣にあるかを探してみましょう。医療機関が近隣にあった場合は、発達障害の診察を行っているか、専門医がいるかなど直接問い合わせしてみたり、医療機関のホームページで確認しましょう。
なお、発達障害の診療を行う医療機関が近隣にない場合は、地域の発達障害者支援センターに相談すると、医療機関を紹介してもらうことも可能です。発達障害者支援センターは発達障害に関する総合的な専門支援施設ですので、医療機関の紹介以外にも発達障害に関する相談なども行ってくれます。

お住まいの市区役所・町村役場によっては、発達障害対応の医療機関リストを公表しているところもありますので、市区役所・町村役場のホームページを確認してみましょう。

医療機関を探すときの注意点

心療内科や精神科を探す際は、通院しやすい場所にあるかを確認しましょう。発達障害の専門医がいるかも重要なポイントです。
通院しているうちに医師との相性が合わないと気づいた場合は、信頼できる医師が見つかるまで医療機関を変えるのもひとつの方法です。

病院(医療機関)での診断の流れ

医療機関での発達障害診断は、
次の流れで進みます。

問診を受ける
01問診を受ける
普段感じている困りごとや、これまでの成育歴について問診されます。問診の時間は、おおむね1時間です。
質問にスムーズに答えられるように、困りごとの内容や過去のエピソードをメモしておくと良いでしょう。幼少期のエピソードを、家族に聞いておくのもおすすめです。母子手帳や小学校の通知表を持参すると、医師が判断する際に役立ちます。
検査を行う
02検査を行う

次に検査を行います。検査の種類はいくつかあり、次の流れで進みます。

  • 1.スクリーニング検査※1で、発達障害の可能性があるかを調べる
  • 2.スクリーニング検査の結果によって、さらに専門的な検査を行う
  • 3.認知機能検査※2で、頭の使いかたや得意・不得意を調べる

このほかに脳波や血液の検査、CT、MRIを行う場合もあります。

  • ※1:症状が現れていない方を対象に、疾患を発見する目的で行う検査。質問項目に回答することで発達障害であるかを判断します。
  • ※2:記憶、思考、理解、計算、判断力、注意力などの知的能力を測定する検査。論理思考テストや言語・視覚記憶検査などの検査を行います。
診断される
03診断される
検査や問診の結果、医師が総合的に発達障害であるかを判断します。診断結果が出るまでには時間がかかり、初診日に結果がわかることはあまりありません。
発達障害と診断された場合は、生活しやすいように環境を整え、日常生活で必要となるスキルのトレーニングを行います。
また、ADHDの場合は、薬を処方されることもあります。現在日本では4つの保険適用薬があり、ADHDの特徴をコントロールするために処方されます。
抑うつ症状や不安症状などの二次障害が見られる場合は、症状を落ち着かせるための薬が処方されることがあります。

発達障害の相談窓口Q&A

発達障害の相談窓口に関する質問をまとめました。

Q:電話で発達障害の相談ができる窓口はある?

都道府県や指定都市に設置されている発達障害者支援センターでは、予約制で電話による相談を受け付けています。たとえば、東京都発達障害者支援センターでは事前申し込みのうえ、電話相談が可能です。
センターによって、電話相談の有無や対応時間は異なります。30分を超える相談の場合は来所を推奨するセンターもあるため、事前に確認しましょう。

Q:発達障害の相談は無料でできる?

発達障害者支援センター精神保健福祉センターでは、発達障害に関する無料相談に応じています。
ほかに無料で相談できる窓口として、障害者就業・生活支援センターもあります。

Q:24時間対応の発達障害相談窓口はある?

発達障害専門の窓口ではありませんが、24時間対応で電話相談に応じている相談窓口があります。たとえば東京都文京区教育センターの総合相談室では、年中無休で24時間、電話相談に応じます。区内に在住、在学の18歳以下の学生が対象です。「いのちの電話」でも、24時間対応で不安を抱えた方の相談に応じるところがあります。

まとめ

本記事では、発達障害のお悩みを抱えている学生に向けて、相談窓口や医療機関の探し方を紹介しました。また、継続してご自身に合った環境で働きたいと考えている学生向けに、就労移行支援事業所を紹介しました。

発達障害の方で就職したい方向けの相談窓口やサポートを受けられる場所は数多くあります。そのため、まずは一人で抱え込まず、お住まいの近くの相談窓口であったり、ご自身に合った相談窓口を探し相談することが大切になります。

また、就労移行支援事業所ウェルビーでは、自分らしく働きたい方をサポートします。お悩みの方は、お気軽にご相談ください。
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